
不動産を売ったときの税金|3000万円特別控除でいくら安くなる
不動産を売ったときの税金
3000万円特別控除で、いくら安くなる?
執筆:東徳不動産商事 編集部
この記事は国税庁の公表資料にもとづいています(2026年10月確認)。
自宅を売って利益が出ると、その利益には所得税と住民税がかかります。ただ、住んでいた家を売る場合には「3,000万円特別控除」という大きな特例があり、条件を満たせば、利益が3,000万円以下なら税金がかからない計算になります(その場合も確定申告は必要)。一方で、使える条件を知らずに売り方や時期を誤ると、本来払わなくてよい税金を払うことにもなりかねません。この記事では、周南市で売買を手がける私たち有限会社東徳不動産商事(以下、東徳不動産商事)が、3,000万円特別控除の仕組みと計算例、使える条件と注意点を解説します。税金の扱いは個別の事情で変わるため、最終的な判断は税理士や税務署にご確認ください。
![]() | この記事で分かること ✓ 3,000万円特別控除とは何か、税金がいくら変わるか(計算例) ✓ 特例を使える主な条件と、家を取り壊して土地を売る場合 ✓ 特例が使えない、損をしやすい3つのケース ✓ 確定申告の時期と、そろえる書類 |
結論:自宅の売却益は3,000万円まで差し引ける(控除)
3,000万円特別控除とは、自分が住んでいる家(またはその敷地)を売ったとき、売却で得た利益(譲渡所得)から最大3,000万円を差し引ける特例です。条件を満たせば、利益が3,000万円以下なら税金がかからない計算になります(税額がゼロでも確定申告は必要)。所有していた期間の長さに関係なく使えるのも、この特例の大きな特徴です。
ただし、特例を使うには確定申告が必要です。結果として税額がゼロになる場合でも、売った年の翌年に申告しなければ適用されません。この点は特に見落としが多いので、最初に押さえておきましょう。
![]() トウト君 | トウト君のひとこと|ここが大事 まず確かめたいのは、売る家に今も住んでいるか、住まなくなってからどのくらいたったかです。 |
税金の計算方法と、控除でいくら変わるか
売却の利益(譲渡所得)は、売った価格から、買ったときの費用(取得費)と、売るためにかかった費用(譲渡費用)を差し引いて計算します。取得費には購入代金のほか購入時の仲介手数料なども含み、建物部分は、年数に応じて価値が減った分を差し引いた額(減価償却)になります。譲渡費用は、売却時の仲介手数料や印紙代などです。
たとえば、2,500万円で家を売り、取得費が1,500万円、譲渡費用が100万円だったとします。利益は900万円です。売った年の1月1日時点で所有期間が5年を超える場合、所得税と住民税を合わせた税率はおよそ20%なので、特例を使わなければ約180万円の税金がかかります。3,000万円特別控除を使えば、900万円の利益はまるごと差し引かれ、税金はゼロになります。数字で見ると、この特例の大きさがよく分かります。

図1 計算例(数字は説明のための例です)
なお、売った年の1月1日時点で所有期間が5年以下だと税率はおよそ39%と高くなりますが、3,000万円特別控除は所有期間にかかわらず使えます。また、売った年の1月1日時点で10年を超えて所有していた自宅であれば、控除後に残った利益に軽い税率を適用する特例とあわせて使うこともできます。
使える主な条件
国税庁が示している主な条件は次のとおりです。
① 自分が住んでいる家を売ること(住まなくなった場合は、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること)
② 売った相手が、親子や夫婦、生計を一にする親族などの特別な関係ではないこと
③ 前年・前々年に、この特例や自宅の買い換えの特例などを使っていないこと
④ 売った家や土地について、ほかの特別な特例の適用を受けていないこと
家を取り壊して土地だけを売る場合も、取り壊した日から1年以内に売買契約を結び、住まなくなった日から3年目の年末までに売ること、その間に土地を貸駐車場などに使っていないことなどの条件を満たせば使えます。
![]() トウト君 | トウト君のひとこと|よくある勘違い 期限は「住まなくなってから3年」ではなく「3年目の年の12月31日まで」です。年末で区切られるので、引っ越した月によって残りの期間が変わります。 |
使えない、損をしやすい3つのケース
特例が使えなくなったり、損をしやすくなったりするのは、住まなくなってから時間が経ちすぎた場合、新居で住宅ローン控除を受けたい場合、親族に売る場合の3つです。順に見ていきます。
住まなくなってから時間が経ちすぎた
転勤や住み替えで家を空けたまま、何年も売らずにいると、期限を過ぎて特例が使えなくなります。住まなくなった日から3年目の年末までが目安です。空き家にしてから売るか迷っている場合は、この期限から逆算して売却の時期を決めることが大切です。

イメージ:予定表を前に、家を売る時期を考える様子(実際の書類ではありません)
新居で住宅ローン控除を受けたい
住み替えで新居に住宅ローン控除を使う場合、新居に入居した年とその前後の一定期間に、旧居の売却で3,000万円特別控除を使うと、新居の住宅ローン控除が受けられなくなります。どちらを使うほうが得になるかは、売却益の大きさやローンの額によって変わるため、住み替えの計画段階で税理士に試算してもらうのがおすすめです。
親族に売る
親子や夫婦の間での売買には、この特例は使えません。家族に家を引き継ぐ場合は、売買以外の方法も含めて考える必要があります。

図2 売る時期と売る相手で、特例が使えるかが変わります
利益が出ない売却も、申告で得をすることがある
周南市のような地方では、購入時より安い価格で売れるケースも少なくありません。その場合、そもそも利益が出ないため税金はかかりません。さらに、一定の条件を満たすマイホームの売却で損失が出た場合は、その損失をほかの所得と差し引きしたり、翌年以降に繰り越したりできる特例もあります。利益が出ないからといって何もしないのではなく、使える特例がないか確認してみましょう。
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確定申告の手続きと必要な書類
3,000万円特別控除を使うには、家を売った年の翌年2月16日から3月15日までの間に確定申告を行います。申告では、譲渡所得の内訳を記入する書類を作成し、売却時と購入時の売買契約書の写し、仲介手数料などの領収書の写しをそろえます。売った家の登記事項証明書(法務局で取る登記の証明書)が必要になることもあります。
また、住民票の住所と売った家の所在地が異なる場合などには、住んでいたことを示すため、戸籍の附票の写しなどを求められることがあります。住民票を移してから売った場合など、状況によって求められる書類が変わるため、早めに税務署や税理士に確認しておくと安心です。会社員の方でも、家を売って特例を使う年は確定申告が必要になる点に注意しましょう。

イメージ:電卓と書類で、売却にかかる税金を整理する様子(実際の書類ではありません)

図3 特例は、申告をして初めて使えます
よくある質問
夫婦の共有名義の家を売った場合は?
共有名義の場合、条件を満たせば、所有者それぞれが3,000万円特別控除を使えます。夫婦で持ち分を半分ずつ持っていれば、合計で最大6,000万円まで控除できる計算です。ただし、住んでいたことなどの条件は一人ひとりについて判断されます。
店舗付き住宅や、一部を貸していた家は?
住まいとして使っていた部分だけが特例の対象になります。店舗や貸していた部分は対象外となるため、面積などの割合で分けて計算します。用途が混在している家を売る場合は、事前に税理士に相談しておくと確実です。
相続した実家を売る場合にも使えますか?
自分が住んでいない実家には、この特例は使えません。ただし、亡くなった親が一人で住んでいた古い家などは、相続した空き家の特例として、別の3,000万円控除が使える場合があります。条件が異なるので、相続した家の売却を考えている方は、そちらの制度も確認してみてください。
売却前に準備しておきたいこと
特例を使うにも、損得を判断するにも、購入時の売買契約書や領収書など、取得費が分かる書類が欠かせません。古い家ほど書類が見つからないことが多いので、売却を考え始めたら早めに探しておきましょう。
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参考資料
・国税庁 タックスアンサー No.3302:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3302.htm
・国税庁 タックスアンサー No.3208:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3208.htm
・国税庁 タックスアンサー No.3211:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3211.htm
・国税庁 タックスアンサー No.3305:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3305.htm
・国税庁 タックスアンサー No.3370:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3370.htm
・国税庁 タックスアンサー No.2020:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2020.htm
・国税庁 タックスアンサー No.3308:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3308.htm
・国税庁 タックスアンサー No.3452:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3452.htm
・国税庁 タックスアンサー No.3306:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm
