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生前贈与で家を渡すと税金はいくら?相続との比較

不動産取引

生前贈与で家を渡すと税金はいくら?

贈与税・不動産取得税・登録免許税を相続と比べる

執筆:東徳不動産商事 編集部

この記事は国税庁タックスアンサー・山口県の公表資料にもとづいています(2026年10月確認)。

「元気なうちに、家を子どもの名義にしておきたい」。そう考える親世代の方は少なくありません。ただ、家を生前贈与で渡すと、贈与税だけでなく、相続ならかからない税金も発生します。方法によっては、相続まで待った場合より200万円以上多く税金を払うこともあります。この記事では、周南市で不動産の売買と管理を手がける私たち有限会社東徳不動産商事(以下、東徳不動産商事)が、家を贈与するときの税金の種類と、相続との総額の違いを計算例でまとめました。実際の税額や制度の選び方は、税理士や税務署に、登記の手続きは司法書士にご確認ください。

トウト君この記事で分かること
✓ 家を生前贈与するとかかる税金の種類(贈与税・不動産取得税・登録免許税)
✓ 暦年課税と相続時精算課税のちがいと、生前贈与加算の7年への延長
✓ 評価額1,000万円の家で、贈与と相続の税金の合計を比べた計算例
✓ 夫婦間の配偶者控除と、相続なら使える小規模宅地等の特例

結論:節税だけが目的なら、贈与より相続のほうが安いことが多い

家の生前贈与は、税金の面では相続より不利になりやすい方法です。贈与税の基礎控除は年110万円と小さく、贈与では不動産取得税がかかり、名義変更の登録免許税も相続の5倍です。計算例では、評価額1,000万円の家を子に一度に贈与すると税金の合計は約215万円、相続なら約4万円でした。

ただし、相続時精算課税や夫婦間の配偶者控除で贈与税を抑えられる場合もあります。「なぜ今渡したいのか」をはっきりさせ、方法ごとの税金の総額で比べることが大切です。

贈与税の基本|暦年課税は年110万円を超えると課税

贈与税は、1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計から基礎控除110万円を差し引き、残りに税率をかけて計算します。これを暦年課税といいます。18歳以上の子や孫が父母・祖父母からもらう場合は、税率が低めの「特例税率」を使います。

① 基礎控除後200万円以下は10%、400万円以下は15%(控除額10万円)、600万円以下は20%(控除額30万円)

② 1,000万円以下は30%(控除額90万円)、1,500万円以下は40%(控除額190万円)で、いちばん高い区分(4,500万円を超える場合)は55%

夫婦間などの贈与は「一般税率」で、特例税率より高くなります。なお、不動産の贈与税は売れる値段ではなく、土地は路線価(道路ごとに決められた土地の評価の目安)など、建物は固定資産税評価額(毎年届く固定資産税の通知に載っている評価額)をもとにした評価額で計算します。

机の上の家の模型と電卓、鍵、手帳のイメージ写真
イメージ:家を渡すときの税金を試算する様子(実際の物件ではありません)

相続時精算課税|2,500万円まで贈与税がかからない

60歳以上の父母・祖父母から18歳以上の子・孫への贈与では、相続時精算課税を選べます。累計2,500万円の特別控除があり、超えた部分に一律20%がかかります。2024年1月1日以後の贈与からは、この特別控除とは別に年110万円の基礎控除も設けられました。

親が亡くなったときに、贈与された財産を相続財産に加えて相続税を計算し直す仕組みです。ただし年110万円の基礎控除の分は加えません。一度選ぶとその親からの贈与は暦年課税に戻せないこと、最初の贈与の翌年2月1日から3月15日までに、もらった子・孫の住所地の税務署へ「相続時精算課税選択届出書」を出す必要があることにも注意してください。

暦年課税と相続時精算課税のちがいの表。暦年課税は毎年110万円まで贈与税がかからず、超えた部分は金額に応じて10%から55%、相続のときは亡くなる前の一定期間(最長7年)の分を相続財産に加える。相続時精算課税は60歳以上の父母・祖父母から18歳以上の子・孫への贈与で選べ、毎年110万円と累計2,500万円まで贈与税がかからず、超えた部分は一律20%、相続のときは贈与した分(年110万円の分は除く)を加える。一度選ぶと暦年課税に戻せない。
図1 相続時精算課税は、60歳以上の父母・祖父母から18歳以上の子・孫への贈与で選べる(届出書は最初の贈与の翌年2月1日から3月15日まで)

生前贈与加算は、3年から7年に延長

暦年課税でもらった財産も、亡くなる前の一定期間の分は相続財産に加えて相続税を計算します。2024年1月1日以後の贈与から、この期間が3年から7年に延びました。経過措置があり、2026年12月31日までの相続は3年、2027年1月1日から2030年12月31日までの相続は2024年1月1日以後の贈与分、2031年1月1日以後の相続は7年が対象です。延びた4年間の贈与は、合計100万円までは加えません。

トウト君
トウト君
トウト君のひとこと|数え方のコツ
7年分が丸ごと加算の対象になるのは、2031年1月1日以後の相続からです。それまでは、亡くなった時期によって加える期間が変わります。

贈与ではかかり、相続ではかからない税金

不動産取得税:贈与は課税、相続は非課税

不動産取得税は土地や家を取得したときに県がかける税金で、2027年3月31日までの取得なら、税率は土地と住宅が3%、宅地の課税標準(税率をかける元になる金額)は固定資産税評価額の2分の1です。相続で取得した場合は非課税ですが、贈与の場合は、配偶者控除や相続時精算課税で贈与税がかからなくても課税されます。住宅の条件による軽減は、山口県の県税事務所で確認できます。

登録免許税:贈与は2%、相続は0.4%

名義変更の登録免許税は、固定資産税評価額に対して、贈与は2%、相続は0.4%です。周南市内の不動産であれば、登記の申請先は山口地方法務局周南支局です。

贈与と相続でかかる税金のちがいの表。不動産取得税は贈与ではかかり(税率3%)、相続ではかからない。登録免許税は贈与が固定資産税評価額の2%、相続が0.4%。小規模宅地等の特例は贈与では使えず、相続では条件に合えば330㎡まで評価額を80%減らせる。
図2 贈与では、贈与税のほかにもかかる税金がある(不動産取得税の税率は2027年3月31日までの土地・住宅の取得)

計算例|評価額1,000万円の家を、贈与と相続で比べる

周南市の住宅地にある親の家で、土地の評価額800万円、家屋の評価額200万円、合計1,000万円とします。分かりやすくするため、相続税の評価額と固定資産税評価額を同じ金額とし、子は18歳以上、不動産取得税の住宅の軽減は使わない前提です。司法書士の報酬は含めていません。

暦年課税で一度に贈与した場合

贈与税は、1,000万円-110万円=890万円に特例税率30%をかけ、控除額90万円を引いて177万円です。不動産取得税は、土地800万円×2分の1×3%=12万円と家屋200万円×3%=6万円で計18万円、登録免許税は1,000万円×2%=20万円です。合計で215万円になります。

相続時精算課税で贈与した場合

1,000万円-110万円=890万円は特別控除2,500万円の範囲内で贈与税はゼロですが、不動産取得税18万円と登録免許税20万円の計38万円はかかります。また、890万円は親が亡くなったときに相続財産に加えられます。

相続で受け継いだ場合

不動産取得税はかからず、登録免許税は1,000万円×0.4%=4万円です。相続税は、遺産の合計が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)以下ならかかりません。相続人が子2人で、家を含めた遺産が3,000万円なら基礎控除4,200万円の範囲に収まり、税金は約4万円です。暦年課税の贈与との差は約211万円になります。

評価額1,000万円の家にかかる税金の合計の表。暦年課税で一度に贈与すると、贈与税177万円、不動産取得税18万円、登録免許税20万円で合計215万円。相続時精算課税で贈与すると、贈与税はゼロ、不動産取得税18万円、登録免許税20万円で合計38万円(890万円は相続のときに相続財産に加える)。相続で受け継ぐと不動産取得税はかからず、登録免許税4万円で、相続税が基礎控除の範囲なら合計約4万円。
図3 計算例(土地800万円・家屋200万円。相続税は基礎控除の範囲内、司法書士の報酬は含まない)

トウト君
トウト君
トウト君のひとこと|ここが大事
贈与税がゼロでも、不動産取得税と登録免許税はかかります。方法を比べるときは、贈与税だけでなく税金の合計で比べましょう。

相続なら使える特例が、贈与では使えない

親が住んでいた家の土地を配偶者や同居の子などが相続すると、小規模宅地等の特例で、330㎡までの部分の評価額を80%減らせる場合があります。この特例は相続や遺贈(遺言で財産を渡すこと)で取得した土地が対象で、相続時精算課税を含め、贈与でもらった土地には使えません。相続税がかかりそうなご家庭ほど、この差は大きくなります。

東徳へのご相談
小規模宅地等の特例が使えるかどうかで、相続を待つ有利さも変わります。親の実家をどうするかは東徳不動産商事によく持ち込まれるご相談のひとつで、提携する税理士・司法書士のご紹介もできます。
▶ お問い合わせフォームはこちら

夫婦間なら、配偶者控除で2,000万円まで控除

婚姻期間20年以上の夫婦の間で、住まいの土地や家、または住まいを買うためのお金を贈与した場合は、基礎控除110万円とあわせて2,110万円までは贈与税がかかりません。贈与を受けた翌年3月15日までに住み、その後も住み続ける見込みであることが条件で、同じ配偶者からは一生に一度だけです。不動産取得税と登録免許税はかかります。なお、配偶者控除を受けた部分は生前贈与加算の対象になりません。

トウト君
トウト君
トウト君のひとこと|よくある勘違い
配偶者控除は、同じ配偶者からは一生に一度しか使えません。いつ使うかは、税理士に相談してから決めましょう。

生前贈与を考えたいのは、こんなとき

① 家を継ぐ人を今のうちに決めて、相続人どうしの争いを避けたい

② 子が実家を建て替えたり改修したりして、住み続ける予定がある

③ 婚姻20年以上の夫婦で、自宅を配偶者に確実に残したい

机の上の家の模型と鍵、リボンでまとめた書類のイメージ写真
イメージ:家の鍵と書類を次の世代へ渡す準備(実際の物件・書類ではありません)

東徳不動産商事がお手伝いできること

私たちは、ご両親の家を今のうちに渡すか、相続まで待つかを考える材料として、不動産の価格の目安や、将来売る・貸す場合の見通しをお伝えします。税額の計算や申告は税理士、登記の申請は司法書士の業務になるため、提携する税理士・司法書士をご紹介できます(ご紹介は無料)。当社とグループ会社にはファイナンシャルプランナーが在籍し、ご家族の資産の渡し方を考える際の資金計画も連携して対応します。

よくある質問

親から家を贈与されたら、申告は必要ですか?

暦年課税で1年間にもらった財産が110万円を超えたら、翌年2月1日から3月15日までに贈与税の申告と納税が必要です。相続時精算課税や配偶者控除を使う場合は、贈与税がゼロでも申告が必要です。

家の持ち分を少しずつ贈与する方法は使えますか?

一般的には、1年間にもらった財産の合計が110万円以下なら暦年課税の贈与税はかかりません。ただし、持ち分を移すたびに登録免許税と不動産取得税、登記の手間がかかります。亡くなる前の一定期間の分は相続財産に加えられるため、思ったほどの効果が出ないこともあります。個別の判断は税理士や税務署にご確認ください。

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トウト君ご相談は東徳へ
家の生前贈与と相続の相談は、地元70年の東徳不動産商事へ
まだ方針が決まっていない段階でも、お気軽にご相談ください。
トウト君のひとこと|まずは家の価格の目安を知るところから始めましょう。

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▶ お電話でのご相談:0834-21-0225(営業時間 9:30〜17:30/定休日 水・日・祝)

参考資料

・国税庁タックスアンサー No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税):https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4408.htm

・国税庁タックスアンサー No.4103 相続時精算課税の選択:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4103.htm

・国税庁タックスアンサー No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税):https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4161.htm

・山口県 不動産取得税 Q&A:https://www.pref.yamaguchi.lg.jp/soshiki/5/12388.html

・国税庁タックスアンサー No.7191 登録免許税の税額表:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7191.htm

・国税庁タックスアンサー No.4152 相続税の計算:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4152.htm

・国税庁タックスアンサー No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例):https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4124.htm

・国税庁タックスアンサー No.4452 夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4452.htm

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