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共有名義の不動産を売るには?トラブルを防ぐ進め方

不動産売却

共有名義の不動産を売るには?

トラブルを防ぐ進め方と、売却代金の分け方

執筆:東徳不動産商事 編集部

この記事はe-Gov法令検索「民法」(明治二十九年法律第八十九号)・法務省「民法の改正(所有者不明土地等関係)の主な改正項目について」(14ページ)などの公表資料にもとづいています(2026年10月確認)。

兄弟姉妹で相続した実家、夫婦で持ち分を分けて買った家など、一つの不動産を複数の人で持っている状態を「共有名義」といいます。共有名義の不動産は、一人の判断だけでは売ることができません。共有者の一人が反対している、連絡がつかない、遠くに住んでいるといった事情があると、売却が思うように進まないこともあります。この記事では、周南市で不動産を手がける私たち有限会社東徳不動産商事(以下、東徳不動産商事)が、共有名義の不動産を売る方法と、つまずきやすい場面の対処法を解説します。法的な手続きが必要な場面では、弁護士や司法書士にご相談ください。

トウト君この記事で分かること
✓ 共有名義の不動産を丸ごと売るのに、なぜ全員の同意が必要か
✓ 共有名義の不動産を売る3つの方法と、それぞれの注意点
✓ 共有者が反対している・行方不明のときの対処法(2023年4月施行の改正民法)
✓ 売却代金の分け方と、共有者ごとの税金の扱い

結論:全体を売るには、共有者全員の同意が必要

共有名義の不動産を丸ごと売るには、共有者全員の同意が必要です。売買契約書への署名や、引き渡しのときの登記の手続きも、原則として全員が関わります。持ち分の大きい人であっても、ほかの共有者の同意なしに全体を売ることはできません。

そのため、共有名義の不動産を売るときに最も大切なのは、早い段階で共有者全員と話し合い、売るかどうか、いくらで、誰が窓口になって進めるかを決めておくことです。話し合いさえまとまれば、売却の手続き自体は通常の売却と大きくは変わりません。

まず確認すること|誰が、どれだけ持っているか

最初に、法務局で登記事項証明書(不動産の名義や持ち分が書かれた公的な証明書)を取り、共有者全員の名前と、それぞれの持ち分の割合を確認します。周南市の不動産であれば、山口地方法務局の周南支局が窓口です。相続した不動産で名義が亡くなった親のままの場合は、売る前に相続登記を済ませ、誰がどれだけ相続するのかをはっきりさせる必要があります。

共有者の住所が登記事項証明書の住所から変わっていることも多いため、連絡先も確認しておきましょう。あわせて、住宅ローンが残っていないか、固定資産税は誰が払っているかなども整理しておくと、後の話し合いがスムーズです。

トウト君
トウト君
トウト君のひとこと|段取りのコツ
共有者の名前と連絡先、持ち分の割合を1枚の紙にまとめておきましょう。話し合いのたびに説明し直さずに済みます。

共有名義の不動産を売る3つの方法

全員で合意して、全体を売る

最も一般的で、手取りが多くなりやすい方法です。全員の合意のもとで不動産全体を売り、売却代金から費用を差し引いた残りを、持ち分の割合に応じて分けます。市場で普通に売れるため、価格面でも有利です。

自分の持ち分だけを売る

自分の持ち分だけであれば、ほかの共有者の同意なしに売ることができます。ただし、持ち分だけを買っても自由に使えないため、一般の買い手はほとんど現れません。買い取るのは、共有持ち分を専門に扱う業者などに限られ、価格は全体を売った場合の持ち分相当額より大幅に下がるのが一般的です。ほかの共有者との関係が悪化することもあるため、最後の手段と考えましょう。

共有をやめてから売る

共有者の一人がほかの共有者の持ち分を買い取って単独名義にし、その人が売る方法もあります。実家に愛着がある兄弟が持ち分を買い取り、ほかの兄弟は代金を受け取る、といった形です。

共有名義の不動産を売る3つの方法の比較表。全員で合意して全体を売る方法は全員の同意が必要だが、市場で普通に売れて手取りが多くなりやすい。自分の持ち分だけを売る方法はほかの共有者の同意なしで売れるが、価格は全体を売った場合の持ち分相当額より大幅に下がるのが一般的。共有をやめてから売る方法は、持ち分を買い取る話し合いが必要で、単独名義にしてから市場で売る。
図1 手取りを考えると、まずは全員で合意して全体を売る方法から検討する

木の机の上の書類と赤い印鑑、紺色のペンケースに入ったペンのイメージ写真
イメージ:売却の書類と印鑑を準備する様子(実際の書類ではありません)

共有者が反対している、連絡がつかないとき

共有者の一人が売却に反対している場合は、まず反対の理由を確かめることが大切です。売却価格への不満、思い出の家を手放したくない気持ち、売却の費用の負担への不安など、理由によって解決の方法は変わります。査定の結果を共有し、手取りの見込みを具体的な数字で示すと、話し合いが前に進むこともあります。連絡がつかない場合は、2023年4月施行の改正民法による裁判所の手続きがあります(この節の後半で説明します)。

どうしても合意できない場合は、共有関係の解消を求めて、話し合いや裁判所の手続きで分け方を決める「共有物分割請求」という方法があります。土地を分ける、一人が代金を払って取得する、競売にかけて代金を分けるといった方法の中から決めることになります。なお、相続した不動産で遺産分割がまだ済んでいない場合は、原則として遺産分割の手続きで分け方を決めます。どの手続きを使うか、共有者どうしの話し合いがこじれたときの進め方は、弁護士にご相談ください。

共有者が行方不明で連絡がつかない場合、以前は売却が非常に難しくなっていました。2023年4月に施行された改正民法により、裁判所の手続きを経て、所在の分からない共有者の持ち分を取得したり、ほかの共有者の持ち分とあわせて売ったりできる制度ができました。ただし、遺産分割が済んでいない相続の持ち分は、相続から10年たつまで使えないなどの条件があります。手続きには時間と費用がかかるため、早めに弁護士や司法書士に相談しましょう。

共有者が反対・連絡がつかないときの進め方の図。まず反対の理由(価格への不満、手放したくない気持ち、費用の負担への不安など)を確かめ、査定の結果と手取りの見込みを共有して数字で話し合う。合意できないときは共有物分割請求(話し合いや裁判所の手続き)があり、進め方は弁護士に相談する。共有者が行方不明のときは、2023年4月施行の改正民法で、裁判所の手続きを経て持ち分の取得や全体の売却ができる制度ができた。
図2 共有者が反対・連絡がつかないときの進め方

トウト君
トウト君
トウト君のひとこと|話し合いのコツ
反対している方には、先に気持ちや心配ごとを聞いてみましょう。数字の話はそのあとにすると、落ち着いて話し合いやすくなります。
東徳によくあるご相談
親から相続した実家を兄弟でどうするか、というご相談をよくいただきます。東徳不動産商事では、無料の査定で根拠を書いた査定書と手取り額の目安をお渡しし、共有者の皆さまの話し合いの材料づくりをお手伝いしています。法的な手続きが必要な場合は、提携する弁護士・司法書士をご紹介できます(ご紹介は無料)。
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売却代金の分け方と税金

売却代金は、仲介手数料などの売却費用を差し引いたうえで、持ち分の割合に応じて分けるのが基本です。持ち分と違う割合で分けると、多く受け取った人に贈与税がかかる可能性があるため注意が必要です。

売却で利益が出た場合の税金は、共有者がそれぞれ自分の持ち分に応じて確定申告をします。住んでいた家を売る場合の3,000万円特別控除は、その家に住んでいた共有者が、それぞれの持ち分について使えます。相続した空き家を売ったときに、売却益から3,000万円まで差し引ける「相続した空き家の特例」も、条件を満たせば共有者ごとに使える場合があります。ただし、2024年1月1日以後の売却で、その家と敷地を相続した人が3人以上のときは、1人あたりの控除の上限は3,000万円ではなく2,000万円になります。税額の計算や申告の判断は、税理士や税務署(周南市・下松市にお住まいの方は徳山税務署)にご確認ください。

共有のまま持ち続けるリスク

話し合いが面倒だからと、共有のまま持ち続ける方もいます。しかし、共有者が亡くなるたびにその相続人が新たな共有者となり、関係者はどんどん増えていきます。いとこや甥、姪まで含めて十数人の共有になると、全員の同意を得るのはほぼ不可能になります。また、固定資産税の負担や草刈りなどの管理を誰がするのかで、不公平感からもめごとになることも少なくありません。共有者全員が元気で連絡を取り合えるうちに、方針を決めておくことが大切です。

スムーズに進めるコツ|代表者を決める

共有者が多い場合や、市外・県外に出た兄弟など遠方に住んでいる共有者がいる場合は、窓口となる代表者を一人決めると話が進みやすくなります。不動産会社とのやり取りや、内覧の対応などは代表者が行い、重要な判断や契約への署名だけを全員で行う形です。決まったことはその都度、書面やメールで全員に共有しておくと、後から「聞いていない」という行き違いを防げます。

共有名義の不動産を売るまでの流れの図。登記事項証明書で共有者全員の名前と持ち分の割合を確認し、親の名義のままなら売る前に相続登記を済ませる。代表者を決めて、不動産会社とのやり取りや内覧の対応は代表者が行い、重要な判断と契約への署名は全員で行う。売却代金は売却費用を引いて持ち分の割合で分け、利益が出たらそれぞれが確定申告をする。
図3 決まったことは、その都度、書面やメールで全員に共有する

木の机の上の家の模型と白い用紙、ペン、卓上の予定表と腕時計のイメージ写真
イメージ:家の模型と書類を前に、売却の予定を立てる様子(実際の物件・書類ではありません)

よくある質問

共有者の一人が遠方に住んでいても売れますか?

売れます。契約書のやり取りを郵送で行ったり、代理人を立てたりする方法があります。引き渡しの際の本人確認なども、司法書士と相談しながら方法を決めます。

これから相続する場合、共有を避けたほうがいいですか?

将来売る可能性があるなら、できるだけ共有を避けるのがおすすめです。一人が不動産を相続して、ほかの相続人には代わりにお金を渡す方法や、相続してすぐに売って代金を分ける方法があります。遺産分割の話し合いの段階で検討しておくと、後のトラブルを防げます。

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トウト君ご相談は東徳へ
共有名義の不動産のご相談は、地元70年の東徳不動産商事へ
共有名義の不動産は、共有者全員が納得できる形で進めることが何より大切です。無料査定のときに、登記事項証明書など手元の書類を一緒に確認し、足りない書類の取り方や準備の順番もお伝えします。
トウト君のひとこと|共有者の皆さんが同じ数字を見ると、話し合いが進みやすくなります。まずは査定で、手取りの目安を知るところから始めましょう。

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参考資料

・e-Gov法令検索「民法」(明治二十九年法律第八十九号) 第251条第1項:https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/129AC0000000089

・法務省「民法の改正(所有者不明土地等関係)の主な改正項目について」(14ページ):https://www.moj.go.jp/content/001444020.pdf

・法務省「相続登記の申請義務化について」:https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00599.html

・山口地方法務局 周南支局(管轄区域):https://houmukyoku.moj.go.jp/yamaguchi/table/shikyokutou/all/tokuyama.html

・法務省民事局「令和3年民法・不動産登記法改正、相続土地国庫帰属法の制定」パンフレット:https://www.moj.go.jp/content/001369525.pdf

・e-Gov法令検索「相続税法」第9条:https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/325AC0000000073

・国税庁タックスアンサー No.3308 共有のマイホームを売ったとき:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3308.htm

・国税庁タックスアンサー No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm

・国税庁 徳山税務署:https://www.nta.go.jp/about/organization/hiroshima/location/yamaguchi/tokuyama/index.htm

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