
売却前にリフォームすべき?しないほうがいいケースと、やってよい手入れ
売却前にリフォームすべき?
しないほうがいいケースと、やってよい小さな手入れ
執筆:東徳不動産商事 編集部
この記事は国土交通省「令和7年度住宅市場動向調査報告書」・e-Gov法令検索などの公表資料にもとづいています(2026年10月確認)。
家を売る前に「古いところを直してからのほうが高く売れるのでは」と考える方は多いでしょう。しかし、売る前のリフォームは、かけた費用を売却価格で取り戻せないことが少なくありません。一方で、雨漏りや設備の故障を放置したまま売ると、引き渡し後のトラブルにつながることもあります。この記事では、周南市で売買を手がける私たち有限会社東徳不動産商事(以下、東徳不動産商事)が、売却前にリフォームをしないほうがいい理由と、やってよい小さな手入れ、不具合への向き合い方、税金での扱いまでを解説します。法律や税金の個別の判断は、弁護士や税理士にご確認ください。
![]() | この記事で分かること ✓ 売る前に大きなリフォームをしないほうがいい3つの理由 ✓ やってよい小さな手入れと、不具合を「直す」か「伝える」かの考え方 ✓ 建物状況調査と既存住宅売買瑕疵保険で建物の状態を示す方法 ✓ リフォーム費用の税金での扱いと、買取・周南市の補助金との関係 |
結論:大きなリフォームはせず「直す・伝える・調べる」で備える
売る前のリフォームは、原則として「大きな工事はしない」前提で考えるのがおすすめです。数百万円をかけて内装や水回りを新しくしても、その費用がそのまま売り出し価格に上乗せできるとは限らないからです。

図1 大きなリフォームの代わりに備える3つのこと
ただし、雨漏りや設備の故障といった不具合は、直すか、買主にきちんと伝えるかのどちらかが必要です。お金をかけるべきは見た目の新しさではなく、不具合への対応と、建物の状態を示すことです。
大きなリフォームをしないほうがいい3つの理由
買主は自分好みに直したい
国土交通省の令和7年度住宅市場動向調査(三大都市圏)では、中古の戸建てを買った世帯が中古を選んだ理由として「リフォームによって快適に住めると思ったから」が29.6%ありました。購入後にリフォームをした世帯は、売主のリフォームと両方の場合を含めて46.8%です。買主の多くは、家族構成や好みに合わせて、買ってから手を入れるつもりでいます。
費用が価格に乗りにくい
同じ調査では、リフォームを行った世帯のリフォーム資金の平均は170万円でした。仮に150万円をかけて水回りを新しくしても、相場より150万円高く売れるとは限りません。買主は立地や広さ、築年数で物件を比べるため、価格が相場から外れると、比べる段階で候補から外されがちです。
工事の間は売り出せない
リフォームは、見積もりから工事まで数か月かかることもあります。その間は写真も撮れず、案内もできません。固定資産税や管理の手間はかかり続け、売りたい時期を逃すおそれがあります。
![]() トウト君 | トウト君のひとこと|次にすること 直すか迷ったら、先に査定で今のままの価格を知り、直す費用と比べてから決めるのが近道です。 |
やってよい小さな手入れ
大きな工事はしなくても、次のような費用の小さな手入れは、売り出しの前に検討する価値があります。

イメージ:壁紙の見本と電卓で手入れの費用を考える様子(実際の物件・書類ではありません)
① 専門業者によるハウスクリーニング(台所・浴室・トイレなど汚れが落ちにくい場所を中心に)
② 水回りの清掃と、水漏れやつまりがないかの確認
③ 壁紙のはがれや大きな汚れの部分的な補修
④ 網戸やふすま、障子の張り替えなど、安く済む消耗品の交換
⑤ 雨漏り、給湯器の故障、排水の不具合など、暮らしに支障がある不具合の修繕
前の4つは印象を整える手入れ、最後の一つは不具合の修繕です。特に雨漏りやシロアリの被害、給湯器の故障は、買主が住み始めてすぐ困るため、大きな値引きの理由になりがちです。費用は家の状態で変わるため、複数の業者から見積もりを取りましょう。清掃業者やリフォーム業者は、私たちからご紹介することもできます(ご紹介は無料)。
| 東徳によくあるご相談 築年数がたった家を売る前に、水回りを新しくしたほうがよいか迷っている、というご相談があります。査定の際に家の状態を見て、直したほうがよい不具合と手を入れなくてよい部分の目安、仲介と買取の手取りの比較をお伝えしています。リフォームの見積もりを取る前に、まずはご相談ください。 ▶ 無料売却査定を申し込む |
不具合は「直す」か「伝える」か
見つかっている不具合は、直すか、直さずに書面で伝えてその分を価格に反映させるかのどちらかで対応します。2020年4月に施行された改正民法では、引き渡した家が契約の内容に合わない場合、売主は「契約不適合責任」を負います。買主は、修理や代金の減額、損害賠償、契約の解除を求めることができます(民法第562条〜第564条)。家の品質が契約に合わない場合、買主はそれを知ってから1年以内に売主へ通知することが必要とされています(第566条)。

イメージ:家の状態を書面にまとめて伝える準備(実際の物件・書類ではありません)
個人が売主の場合、責任を負う期間を短くしたり、責任を負わないとしたりする特約を結ぶこともあります。ただし、売主が知りながら告げなかった不具合は、特約があっても責任を免れません(第572条)。当社では、不具合を伏せたまま売りたいというご相談があっても、その売り方はご提案せず、伝えるべきことは伝えましょうと正直にお伝えしています。告知すべきことを伏せて売ると、後で売主様ご自身が責任を負うことになるためです。契約の内容に不安がある場合は、弁護士にご相談ください。
![]() トウト君 | トウト君のひとこと|ここが大事 知っている不具合は、伏せたまま売らないことが大切です。特約があっても、知りながら告げなかった不具合の責任は免れません。直さないなら、書面で伝えて価格に反映させましょう。 |
建物状況調査と既存住宅売買瑕疵保険
売主自身も、家の不具合をすべて把握しているとは限りません。そこで検討したいのが「建物状況調査」です。国の登録を受けた講習を修了した建築士が、基礎や外壁、屋根などのひび割れや雨漏りの跡を、目視を中心に調べます。調査が行われていれば、不動産会社はその結果の概要を買主に重要事項として説明します。一戸建ての場合、説明の対象になるのは調査から1年以内のものです。

図2 建物の状態を示す2つの方法(割合は三大都市圏の調査)
検査に合格すれば「既存住宅売買瑕疵保険」に加入できる場合があります。個人間の売買では、検査をした事業者が加入するタイプ(仲介する事業者が加入するタイプもあります)があり、引き渡し後に基礎や柱などの構造部分や、雨水の浸入を防ぐ部分に欠陥が見つかると、補修の費用が保険でまかなわれます。検査をした事業者が加入するタイプでは、保険期間は1年・2年・5年、保険金額は500万円か1,000万円で、内容は保険商品によって異なります。
前述の調査では、中古の戸建てを買った世帯のうち、建物状況調査が行われたのは16.6%、瑕疵保険に加入したのは20.6%にとどまります。リフォームに大きな費用をかけるより、建物の状態を示して買主の不安を減らすほうが、費用を抑えて売りやすくする方法になることがあります。
リフォーム費用は税金でどう扱われるか
国税庁の案内では、仲介手数料など売るために直接かかった費用は「譲渡費用」として売却益から差し引けますが、修繕費のように資産の維持や管理のための費用は譲渡費用にならないとされています。壁紙の補修やクリーニングの費用は、売るための手入れでも差し引けないのが一般的です。

図3 修繕か改良かは工事の内容で判断(工事の前に税理士や税務署に確認)
一方、設備の追加など家の価値を高める工事の費用は、「改良費」として取得費(家を買ったときの代金など、売却益の計算で差し引く金額)に含まれる可能性があります。ただし、建物は経過年数に応じた目減りを差し引くため、全額が差し引けるとは限りません。修繕か改良かは工事の内容で判断されるため、工事の前に税理士や税務署に確認しておくと安心です。
買取なら、リフォームはいらない
不動産会社に直接買い取ってもらう「買取」なら、買い取った会社が自らリフォームして販売することが多いため、売主が直す必要はありません。東徳不動産商事では、周南市内の物件であれば、物件によって当社が買い取るか、提携の買取業者におつなぎします。雨漏りなどの不具合がある家や、家財が残ったままの家も引き受けを検討でき、契約不適合責任を免除する形でもご相談いただけます。現金化までの目安は1〜2か月です。一方、価格は仲介で売るより低くなることが多いため、直す費用が大きい古い家は、仲介の査定額と買取の金額をそれぞれの手取りで比べて決めましょう。
周南市の補助金は、売る前のリフォームには使いにくい
周南市には、空き家を買って住む人のリフォーム費用を補助する「空き家リフォーム事業補助金」があります。ただし、令和8年度の要件では、補助の対象は市内に定住する目的で空き家を購入した個人で、工事のあとに買った人が住むことが条件です。売主が売る前に行う工事には使えません。
反対に、築20年以上で1年以上空き家になっている一戸建て(中山間地域=山あいの地域を除く。どこが当たるかは市の要件で確認)など条件に合う家なら、申請者か配偶者が40歳未満の世帯や子育て世帯といった要件を満たす買主が、この制度を使って自分でリフォームできる可能性があります。要件は年度ごとに変わるため、周南市役所の住宅課で最新の内容を確認しましょう。
![]() トウト君 | トウト君のひとこと|よくある勘違い 周南市の空き家リフォーム補助金は、売る人ではなく、買って住む人のための制度です。売る前の工事には使えないので、買主が使える可能性として伝えましょう。 |
よくある質問
売り出し中に不具合が見つかったら、どうすればいいですか?
見つかった時点で、依頼している不動産会社に伝えてください。修理するか、伝えたうえで価格に反映させるかを相談します。伝えずに売ると、引き渡し後に修理費の請求や契約の解除を求められるおそれがあります。
建物状況調査の費用は、売主と買主のどちらが払うのですか?
決まりはなく、依頼した人が払うのが一般的です。売り出す前に売主が調査しておけば、結果を物件の資料として示せるため、買主の安心につながります。
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![]() | ご相談は東徳へ 売る前のリフォームのご相談は、地元70年の東徳不動産商事へ 直してから売るか、今のまま売るかは、家の状態と周辺の相場で答えが変わります。建物の状態については、提携先の一級建築士と連携して対応します。売るかどうか決まっていなくても、お気軽にご相談ください。 トウト君のひとこと|直すかどうか決める前でも、査定は受けられます。どこに手を入れるべきか、家の状態を見ながら一緒に考えましょう。 |
▶ お電話でのご相談:0834-21-0225(営業時間 9:30〜17:30/定休日 水・日・祝)
参考資料
・国土交通省「令和7年度住宅市場動向調査報告書」:https://www.mlit.go.jp/report/press/content/002012180.pdf
・e-Gov法令検索 民法:https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/129AC0000000089
・国土交通省「建物状況調査(インスペクション)活用の手引き」:https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001735147.pdf
・e-Gov法令検索 宅地建物取引業法 第35条第1項第6号の2:https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/327AC1000000176
・国土交通省「宅地建物取引業法における建物状況調査に関するQ&A」(令和6年4月1日現在):https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001735111.pdf
・国土交通省「既存住宅売買瑕疵保険(個人間売買タイプ、検査事業者保証型)」:https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/jutaku-kentiku.files/kashitanpocorner/jigyousya/about_inspector_guarantee_type.html
・国税庁タックスアンサー No.3255 譲渡費用となるもの:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3255.htm
・国税庁タックスアンサー No.3252 取得費となるもの:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3252.htm
・周南市「空き家リフォーム事業補助金【令和8年度】」:https://www.city.shunan.lg.jp/soshiki/36/84066.html
