
賃貸管理の委託料の相場|何%が適正?内訳と比較のしかた
賃貸管理の委託料の相場
何%が適正?内訳と比較のしかた
執筆:東徳不動産商事 編集部
この記事は国土交通省「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律の解釈・運用の考え方」(令和5年3月31日施行)・e-Gov法令検索「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」(令和二年法律第六十号)などの公表資料にもとづいています(2026年10月確認)。
アパートや貸家の管理を管理会社に任せるとき、オーナーが気になるのが「管理委託料はいくらが適正なのか」という点です。委託料は毎月の家賃収入から差し引かれるため、収益に直接響きます。しかし、委託料の率だけを見て選ぶと、別料金が多かったり、空室が埋まらなかったりして、結果的に損をすることもあります。この記事では、周南市で賃貸管理を手がける私たち有限会社東徳不動産商事(以下、東徳不動産商事)が、管理委託料の相場と内訳、別料金になりやすい費用、そして管理会社を比べるときの考え方を解説します。
![]() | この記事で分かること ✓ 賃貸管理の委託料の相場と、計算のしかた ✓ 委託料に含まれることが多い業務と、別料金になりやすい費用 ✓ 委託料の安さより空室の期間が収益に響く理由と、年間の費用の試算 ✓ 管理会社を比べるときに確かめることと、サブリースとの違い |
結論:家賃収入の5%前後が目安。率より「総額」と「中身」で比べる
管理委託料は、毎月の家賃収入(集金した家賃など)に一定の率を掛けて計算するのが一般的で、その率はおおむね3%から8%、多くは5%前後とされています。月の家賃収入が50万円の物件なら、委託料は月2万5,000円程度が一つの目安です。
ただし、同じ5%でも、委託料に含まれる業務の範囲は管理会社によって違います。委託料が安くても、広告料や更新の手数料、修繕の手配料などが別にかかれば、年間の負担は変わります。管理会社を比べるときは、委託料の率だけでなく、年間でかかる費用の総額と、その費用でどこまでの業務をしてくれるかで判断しましょう。
委託料に含まれることが多い業務
① 家賃の集金と、オーナーへの送金
② 家賃の滞納があったときの督促
③ 入居者からの問い合わせや、クレームへの対応
④ 設備の故障などの連絡の受付と、修理の手配
⑤ 毎月の収支の報告
⑥ 建物の定期的な見回り
これらは、賃貸経営の日常的な業務です。特に、入居者からの連絡への対応や滞納の督促は、オーナー自身が行うと時間も気持ちの負担も大きい業務で、管理を任せる大きな理由になります。
参考までに、東徳不動産商事の管理委託料も一般的な範囲(家賃の3〜5%前後)に収まっており、管理の内容と合わせてお見積もりします。当社の委託料には、家賃の集金と送金、滞納があったときの督促、入居者からの連絡への対応と設備の故障の手配、入居者の募集と契約の業務に加えて、会社によっては別料金になる退去の立ち会いと原状回復工事(退去のあと部屋をもとに戻す工事)の手配、更新の手続きも含まれます。当社でもよくご相談いただくのが、退去時の原状回復の費用で、貸主と借主の負担の範囲をめぐってもめるケースです。立ち会いから工事の手配まで任せられるかどうかも、管理会社を選ぶ目安になります。比べるときは、このように業務の範囲を項目ごとに確かめてください。
別料金になりやすい費用
一方、次のような費用は、管理委託料とは別に請求されることがあります。契約の前に、どの費用が別になるのかを確認しておきましょう。
① 入居者募集の広告料(家賃の1か月分前後が目安とされることが多い)
② 更新の手続きの事務手数料
③ 退去時の立ち会いや、原状回復工事の手配の手数料
④ 修繕工事の手配や、工事の管理にかかる手数料
⑤ 共用部の清掃や、法律で決められた設備の点検の費用
特に、入居者募集の広告料は、空室が出るたびにかかる費用です。入居者の入れ替わりが多い単身向けの物件では、年間の負担が大きくなることもあります。当社の実感では、周南市の徳山駅の周辺の賃貸は単身の方や転勤の方が中心のため、駅の近くに単身向けの部屋をお持ちなら、広告料がかかる回数も見込んで比べましょう。委託料の率が低くても、こうした費用が積み重なると、総額では高くなることがあるため注意が必要です。
![]() トウト君 | トウト君のひとこと|よくある勘違い 見積書が届いたら、委託料の率の欄だけでなく「広告料」「更新の事務手数料」「修繕の手配の手数料」の欄を探してみてください。書かれていない項目は、委託料に含まれるのか別にかかるのかを、その場で聞いておくと安心です。 |

図1 同じ委託料の率でも、含まれる業務は会社によって違う
安さだけで選ぶと損をする理由
賃貸経営の収益に最も大きく影響するのは、委託料の差よりも、空室の期間です。たとえば月の家賃が5万円の部屋で、空室が2か月長引けば、10万円の収入を失います。これは、家賃収入50万円の物件で委託料の率が1%違う場合の、約1年8か月分にあたります。
委託料が安くても、入居者を集める力が弱く、空室が長引けば、結果的に収益は下がります。また、入居者からの連絡への対応が遅いと、入居者の不満がたまり、退去が増える原因にもなります。管理会社を選ぶときは、委託料の率とあわせて、空室を埋める力と、対応の早さを必ず確かめましょう。
![]() トウト君 | トウト君のひとこと|ここが大事 ご自分の部屋の家賃に、これまで空室だった月数を掛けてみてください。その金額と、委託料の率が1%違うときの1年分の差を並べると、どちらが収益に響くかが見えてきます。 |
| 東徳によくあるご相談 アパートの空室がなかなか埋まらない、今の管理会社の費用や対応に納得できない、という管理のご相談をいただきます。東徳不動産商事では、今かかっている委託料と別料金を年間の総額で整理し、入居者の募集の見直しとあわせてご相談をお受けします。 ▶ お問い合わせフォームはこちら |
管理会社を比べるときのポイント
① 年間でかかる費用の総額(委託料と別料金の合計)を試算して比べる
② 空室を埋めるための募集の方法と、これまでの実績を聞く
③ 入居者からの連絡にどのくらいの時間で対応するかを確認する
④ 毎月の報告の内容と形式を、見本で確認する
⑤ 契約の解約の条件(何か月前に予告が必要か)を確認する
見積もりを比べるときは、同じ物件、同じ条件で、年間の総額を出してもらうと比べやすくなります。また、地元の管理会社であれば、そのエリアの家賃の相場や、入居者が求める条件を把握しているため、空室対策の提案に具体性があります。
年間の費用を試算してみる
たとえば、家賃5万円の部屋が10室あるアパートで、年間の家賃収入が600万円だとします。委託料が5%なら年間30万円です。ここに、年に2回の入れ替わりがあり、そのたびに広告料として家賃1か月分がかかれば10万円、更新の事務手数料などが数万円加わり、年間の管理関連の費用は40万円を超えることになります。
一方、委託料が4%でも、広告料が家賃2か月分かかる会社であれば、年間の総額は大きく変わりません。逆に委託料が少し高くても、広告料や手数料が委託料に含まれていれば、総額はかえって安くなることもあります。管理会社を比べるときは、自分の物件の入れ替わりの頻度も想定しながら、こうした試算をしてみることをおすすめします。

図2 委託料の率だけでなく、別にかかる費用まで足して比べる
委託料の水準を左右するもの
委託料の率は、物件の規模や戸数、任せる業務の範囲によっても変わります。戸数が少ない物件や、一戸建ての貸家では、手間に対して家賃収入が少ないため、率がやや高めになったり、最低の金額が決められていたりすることがあります。反対に、戸数の多い物件では、率が抑えられることもあります。

イメージ:アパートの管理の段取りを考える様子(実際の物件ではありません)
サブリースとの違いも知っておく
管理会社が建物を一括で借り上げ、オーナーに一定の家賃を支払う「サブリース」という形もあります。空室があっても家賃が入る安心感がある一方、オーナーが受け取る家賃は、満室時の家賃より低く設定されるのが一般的で、その差は管理委託料の率より大きくなることが多いです。どちらが合うかは、空室のリスクをどこまで自分で負うかによって変わります。

図3 空室のリスクをどこまで自分で負うかで選ぶ
よくある質問
委託料の計算の基準は、満室の家賃ですか?
多くの場合、実際に集金した家賃をもとに計算します。空室の分には委託料がかからないのが一般的ですが、計算の方法は会社によって違うため、契約前に確認しましょう。
今の管理会社から変えることはできますか?
できます。今の管理委託契約の解約の条件を確認し、新しい管理会社に入居者の契約内容や鍵、敷金の情報などを引き継ぎます。入居者への案内も必要になるため、引き継ぎに慣れた会社に相談すると安心です。
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▶ お電話でのご相談:0834-21-0225(営業時間 9:30〜17:30/定休日 水・日・祝)
参考資料
・国土交通省「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律の解釈・運用の考え方」(令和5年3月31日施行) 別記様式 重要事項説明書(管理受託契約)(4):https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001474894_251022.pdf
・e-Gov法令検索「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」(令和二年法律第六十号) 第2条第2項第2号:https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/502AC0000000060
・国土交通省「賃貸住宅管理業法 制度概要ハンドブック」 業務管理者の役割:https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001404841.pdf
・国土交通省「『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』について」:https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000020.html
・国土交通省「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」(令和8年4月1日以降の版) 第46条第1項関係 (10)①:https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001881261.pdf
・e-Gov法令検索「消防法」(昭和二十三年法律第百八十六号) 第17条の3の3:https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/323AC1000000186
