
特定空家に指定されると?固定資産税が上がる仕組み
特定空家に指定されると?
固定資産税が上がる仕組みと、指導の段階でできること
相続した実家や長く空けたままの家について、「特定空家になると固定資産税が6倍になる」と聞いて心配になる方は少なくありません。2023年12月の法改正で、特定空家の手前の「管理不全空家」も対象に加わり、早い段階から税金に影響が出るようになりました。この記事では、周南市で不動産の売買・管理を手がける私たち有限会社東徳不動産商事(以下、東徳不動産商事)が、指定から勧告までの流れ、固定資産税が上がる仕組みと計算例、市から指導を受けたときの動き方をまとめました。個別の税額は周南市役所の課税課、法的な判断は市の担当窓口や弁護士にご確認ください。
結論:上がるのは「勧告」を受けたとき。指導の段階で直せば特例は続く
特定空家や管理不全空家に当たると判断されただけで、すぐに税金が上がるわけではありません。市からの助言や指導に従わず、状態が改善されないときに「勧告」を受け、勧告を受けると、土地の固定資産税と都市計画税を軽くしている住宅用地の特例が適用されなくなります(周南市の空き家に関するよくある質問による)。
つまり、市から連絡や指導が届いた段階で、修繕や草木の手入れ、売却や解体の方針を決めて動けば、税金が上がる前に止められます(2026年10月時点の制度による)。
特定空家と管理不全空家の違いは?
どちらも空家対策特別措置法(以下、空家法)で決められた区分で、違いは状態の悪さです。特定空家は、倒壊など著しく保安上危険となるおそれがある、著しく衛生上有害となるおそれがある、著しく景観を損なっている、周りの生活環境のために放置が不適切である、のいずれかに当たる空き家です(空家法第2条)。
管理不全空家は、そのまま放置すれば特定空家に当たるおそれのある空き家で、2023年12月13日に施行された改正法で新しく設けられました(空家法第13条、国土交通省の案内による)。窓ガラスが割れたまま、庭木や雑草が伸び放題といった「特定空家の一歩手前」でも、市が指導や勧告をできるようになったのが大きな変化です。
指定から勧告・命令まで、どう進む?
いきなり税金が上がったり、家を壊されたりすることはなく、段階を踏んで進みます。空家法と周南市の案内をもとにすると、流れは次のとおりです。
① 市が現地を確認し、管理不全空家または特定空家に当たるかを判断する
② 所有者に指導(特定空家は助言または指導)が届く
③ 改善されない場合は勧告を受け、住宅用地の特例が外れる
④ 特定空家で勧告にも従わないと、期限を付けた命令が出され、違反すると50万円以下の過料
⑤ それでも措置がとられないと、市が代わりに解体などを行い、その費用は所有者に請求される
管理不全空家の段階では、法律上の手続きは勧告までです。ただし放置して傷みが進めば、特定空家として扱われるおそれがあります。また改正法では、災害などで危険が差し迫り、命令の手続きを経る時間がないときに、市が先に解体などを行える緊急代執行の制度もできました(空家法第22条)。
なぜ固定資産税が上がる?住宅用地の特例の仕組み
人が住むための家が建つ土地には住宅用地の特例があり、固定資産税の計算の元になる額が、200平方メートルまでの部分は評価額の6分の1、それを超える部分は3分の1に抑えられています(総務省の案内による)。周南市では都市計画税にも同じ考え方の特例があり、200平方メートルまでの部分は3分の1です。
管理不全空家や特定空家として勧告を受けると、その土地は住宅用地として認定できなくなり、特例が外れます(周南市の空き家に関するよくある質問、国土交通省の案内による)。固定資産税は毎年1月1日時点の状況で課税されるため、勧告を受けたあとに迎える1月1日の状況が、その年度の税額に反映されます。
いくら上がる?計算例で確認
たとえば周南市内で、評価額1,200万円、広さ200平方メートルの宅地に空き家が建っているとします。特例がある場合、固定資産税は1,200万円の6分の1の200万円に税率1.4%をかけて2万8,000円、都市計画税は3分の1の400万円に0.2%をかけて8,000円、合わせて年3万6,000円です。
特例が外れて評価額をそのまま計算の元にすると、固定資産税は16万8,000円、都市計画税は2万4,000円、合わせて年19万2,000円で、約5.3倍の計算になります。実際には税負担をなだらかに上げる仕組みなどがあるため一度にここまで上がるとは限らず、周南市も厳密には6倍になるわけではないと案内しています。それでも毎年の負担が数倍になりうることは変わりません。正確な見込みは課税課で確認できます。
どんな状態だと指導を受けやすい?
目安は、周りの家や通行人に悪い影響が出ているかどうかです。外から見て分かりやすいのは、次のような状態です。
① 屋根瓦や外壁、雨どいがずれたり、はがれたりしている
② 窓ガラスが割れたまま、戸締まりができていない
③ 雑草や庭木が伸びて、道路や隣の敷地にはみ出している
④ ごみが放置され、においや虫が出ている
⑤ 建物や塀が傾いている
遠方に住んでいる方ほど、定期的に誰かが様子を見に行く体制をつくっておくと安心です。
指導の通知が届いたら、どうすればいい?
まず通知に書かれた指摘の内容と期限を確認し、放置せずに市の担当課へ連絡して、いつまでに何をするかを伝えましょう。勧告の前に改善できれば、住宅用地の特例は外れません。
手入れは、自分でやるか業者に頼むかで費用と手間が変わります。草刈りや片付けを家族でできれば費用は抑えられますが、遠方からの往復や、屋根・外壁のような高い所の修繕は業者に頼むのが現実的です。頼むときは、見積もりにどこまでの作業が含まれるか、作業後に写真で報告してもらえるか、市の指摘に沿った内容になっているかを確認しておきましょう。
今後使う予定がないなら、手入れを続けるより売却を考えたほうが負担が軽くなることもあります。ただし解体して更地にすると、勧告とは関係なく住宅用地の特例が外れる点に注意が必要です。
周南市の相談先と、東徳不動産商事ができること
周南市では、市が空家等管理活用支援法人に指定した山口県宅地建物取引業協会が「空き家総合相談窓口」を設け、市内に空き家や将来空き家になりそうな家を持つ方の相談を無料で受けています。相談後に専門業者へ作業を頼む場合は有料です(周南市公式サイトによる)。
東徳不動産商事では、空き家の管理を個別のご相談でお受けし、外回りの確認と写真でのご報告、室内の通風・通水、草刈りや修繕の業者の手配を行っています。費用は内容と頻度に合わせて個別にお見積もりします。売却では、ほかで解体を勧められていた実家を古家付きのまま売り出して決まったこともあり、不具合や家財が残ったままの家は、当社や提携業者による買取も含めて検討します。郊外や山あいの物件は売れるまで1年以上かかることもあるため、早めのご相談がおすすめです。解体業者やリフォーム業者もご紹介できます(ご紹介は無料)。当社とグループ会社には一級建築士が在籍し、修繕と売却のどちらがよいかの判断に連携して対応します。
よくある質問
誰も住んでいない家は、それだけで固定資産税が上がりますか?
空き家であることだけで、すぐに上がるわけではありません。上がるのは、管理不全空家や特定空家として勧告を受けた場合です。ただし家屋の使われ方によって住宅用地として扱われるかは個別に判断されるため、気になる場合は周南市役所の課税課に確認してください。
勧告を受ける前に解体すれば、税金は上がりませんか?
解体して更地にすると、勧告とは関係なく住宅用地の特例がなくなり、土地の税額は上がります(周南市の空き家に関するよくある質問による)。建物の固定資産税はなくなりますが、差し引きで得か損かは物件によります。解体は、売却の見通しとあわせて決めるのがおすすめです。
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市から空き家の指導の通知が届いた方、遠方で実家の様子が分からない方は、税金が上がる前にご相談ください。外回りの確認や草刈り・修繕の手配は個別にお見積もりし、手入れを続けるか、古家付きのまま売るか、買取にするかを一緒に比べます。解体業者やリフォーム業者のご紹介も無料です。
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